19.公正証書遺言書作成現場
場所は、ビルの中にある一室。
在中するスタッフの数も少なく、シーンとした空間だった。
通された場所はパーティションで簡単に区切られたところで、遺言者のAさんと証人となった税理士と私の3人で公証人の先生を待つ。
※公証人とは、判事,検事,法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊かな方の中から法務大臣が任免し、
公正証書の作成等のお仕事をしている人のことです。
公証人とは、とても貫禄のある偉い先生であろうと考えていた矢先、気さくな紳士が登場。
軽い挨拶のあと、遺言書に沿って先生からAさんに軽く質問がされる。
受贈者(財産を相続する人)とはどんな関係?・・・
本当に優しい口調で質問してくれ、これで、先生を前に緊張する事なく、スムーズにAさんは誰にどの財産を遺贈や相続させたいと先生に伝えることができる様になっているのだと思った。
それから、先生が遺言書を読んでくれる。Aさんと私たちの3人で、遺言書を目で追いながら内容に耳を傾ける。
そして、それぞれが遺言書の原本へ署名(筆ペン)・押印をする。
署名と押印に『緊張するなぁ』と思っていると、
先生が朱肉は好きなものを使ってね。(なぜか3つくらい用意されている)人によってこれがいいとかあるみたい。
心配なら練習してね。とメモ用紙。先生の声掛けで和やかなムードの中、署名・押印も無事に終了。
そして、公正証書遺言書の完成。
ここまで20分間の出来事だった。
ピリピリとした雰囲気なのかと想像して出向いたものの、先生のお人柄と軽やかな進行に
リラックスして初めての証人の役割を果たすことができた。